損益分岐点売上高とは

損益分岐点売上高とは、ご承知の通り利益になるか損失になるか分岐となる売上高です。損益分岐点売上高が低いほど会社の体力は強いと言えるでしょう。だってたくさん売らなくても利益が出る経営体質なのですから。

さて、損益分岐点売上高を引き下げるには、(1)変動費率を下げるか(つまり限界利益率を上げるか)(2)固定費を下げるかどちらかです。(1)の限界利益率を引上げるには、如何に付加価値が多く取れる製品を造って(または商品を仕入れて)売るかにかかっています。言い換えれば、その会社の技術力とか製造力とか営業力を発揮できる製品・商品を如何にウエイト高く売るかということです。そういう製品・商品に売上げの構成を持っていくことが(1)のポイントです。次に(2)の固定費はより少なくすることが損益分岐点売上高を引き下げることになります。固定費はご承知の通り売上高に関係なく発生する月給払いの人件費や減価償却費、リース料、固定資産税・保険料など固定資産費用や関連の経費です。



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損益分岐点の計算方法

損益分岐点の計算方法は一般的に次の流れでおこないます。まず、売上高−変動費−固定費=利益 が基本の式で、利益が「0」の時点が損益分岐点なので 売上高−変動費−固定費=0 「変動費」 は 「売上高×変動比率」なので、置き換えると 売上高−”売上高×変動比率”−固定費=0 「固定費」を右辺に移動 売上高−売上高×変動比率=固定費 左辺の式を「売上高」でくくると 売上高(1−変動比率)=固定費 「変動比率」は「変動費÷売上高」なので、置き換えると 売上高(1−”変動費÷売上高”)=固定費 左辺を売上高にすると 売上高=固定費÷(1−変動費÷売上高)これで損益分岐点が計算できます。この式で計算できる売上高が、損益分岐点となる売上高となります。

損益分岐点売上高の経営への活用方法

損益分岐点売上高を実際の経営に活かす方法としては、既に出来上がっているPLから損益分岐点売上高を出して「この月の損益分岐点売上高は○○○円だったんだ」という分析の目安として使われますが、短期的には違った損益分岐点の使い方があります。固定費は、売上高・生産高に関係なく発生し、これらが増加しても増えません。しかし今から増加する売上高に限界利益が少しでもあれば、その分だけ利益が増加します。このことに着目して、追加の受注をすべきか止めるべきかを決めるために損益分岐点の考え方を使う事があります。しかし薄い限界利益率の売上げが増えれば損益分岐点売上高は上昇します。でも利益が増えることはあるのです。この考え方はあくまで短期的な視点です。特に最近のように中国初め東南アジアの国が力を付けてきているとき製造業に於いては短期的な考え方で規模を拡大することは危険です。長期的な視点に立って自社の経営資源が市場に評価される商品またはサービスの売上げを中心に事業を進め、無駄を省いて損益分岐点売上高を引き下げること、または損益分岐点売上高比率を引き下げることが大切と思います。

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